一献風月 YOKOHAMA

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富士山と東京湾を望む千葉県 富津市の名門酒蔵『和蔵酒造』を訪問!GWイベント情報も!

関東灘が誇る上総エリアの名門酒蔵百年を超える歴史が交差する、二つの蔵の物語

千葉県は「関東灘」と称されるほど日本酒造りが盛んな地域だということをご存知でしょうか?

特に上総エリアは県内で最も酒蔵が集中する一大酒造地帯なのです。この地域の魅力を探るべく、私たちは富津市竹岡の名門酒蔵「和蔵酒造」を訪ね、その歴史と酒造りの哲学に触れました。

和蔵酒造は、明治7年より富津竹岡の地で清酒「聖泉」を醸してきた池田酒造と、明治初期より君津貞本の地で清酒「鹿野山」を醸してきた原本家が、平成18年(2006年)3月に統合して誕生した酒蔵です。

上総湊に佇む竹岡蔵に到着すると、蔵元の池田さんが温かく迎えてくださいました。館内には木の香りと麹の優しい香りが漂い、時間がゆっくりと流れているように感じられます。

「日本酒は地域の文化そのもの」和蔵酒造・池田亨さんに聞く、酒造りへの想い

竹岡蔵・蔵元 池田さんインタビュー

——二つの蔵の統合で、目指したことは何だったのでしょうか?

「両者の統合で目指したのは、旧来の杜氏制度からの脱却でした。地元社員による酒造りに転換を図り、二つの酒蔵で日本酒と焼酎・リキュールの製造機能を分担しています。社員が一年を通して酒造りに取り組める環境を作ることで、『和』の文化を人の『和』で未来につなぎたいという思いを実現しています」

——現在はご子息が杜氏を務めていらっしゃるとうかがいました。

「はい。以前は越後杜氏を招いて酒造りを行っていましたが、今は息子が南部杜氏のもとで修行を積み、現在は杜氏として仕込みを取り仕切っています。私から受け継いだ伝統を守りながらも、常に良いものを追い求める姿勢は今も昔も変わりません」

——酒造りにおいて、地域との繋がりはやはり重要なのでしょうか?

「日本酒は地域の文化そのものだと思っています。だからこそ、地元の素材を活かし、その土地ならではの味わいを届けたいという想いで取り組んでいます」

そう語る池田さんの表情からは、日本酒造りへの誇りと強い情熱が伝わってきました。

千葉県酒造組合の重鎮としても知られる池田さん。

その膨大な知識と、聞き手を引き込む語り口はまさに“生き字引”と呼ぶにふさわしく、取材の時間はあっという間に過ぎていきました。

「基本に忠実」その姿勢から生まれる絶品の日本酒

——酒造りにおいて、最も大切にしている信念は何でしょうか?

「私たちの信念は、『基本に忠実であること』と『手間を惜しまないこと』です。微生物の繊細な営みが鍵を握る酒造りでは、本当に些細なことで雑味が生まれてしまう。だからこそ、わずかな気の緩みも許されません。徹底的に清潔を保ち、謙虚な姿勢で仕込みに向き合うことが何より大切だと思っています」

——和蔵酒造ならではの特徴についても教えてください。

「一番の特徴は、東京湾に面したこの立地でありながら、敷地内にある深井戸から鹿野山系の清らかな水を汲み上げて使っている点です。やや硬水寄りのこの水は、千葉県産の酒造好適米『総の舞』や『ふさこがね』との相性が非常に良いんですよ」

——主力銘柄『聖泉』には、どんな思いが込められているのでしょうか?

「『聖泉』のコンセプトは、自己主張しすぎず、一歩引いて料理の味わいを引き立てる“包容力”です。日本酒は、究極の食中酒だと私は思っています。特に地元の食材、たとえば江戸前のアジやアサリ、アナゴなどと合わせて楽しんでいただけたら嬉しいですね」

池田さんの語る一言一言から、確かな技術とともに、日本酒への真摯な姿勢、そして地元への深い愛情が感じられました。

私たちも本格的な日本酒の仕込み」を体験しました!

今回の訪問では、特別に仕込み体験もさせていただきました。

実際に仕込み蔵に入り、蔵元から酒造りの工程について丁寧にご説明いただきながら、蒸米を甑(こしき)で蒸し上げた後、竹のすのこに広げて熱を冷ます作業を体験しました。

あつあつの蒸米を手で広げていくと、みるみる温度が下がっていきます。約35度ぐらいまで下げるのが理想だそうですが、蔵人さんたちは温度計なしで手の感覚だけでわかるのだとか。その後、温度の下がった蒸米を酒母用のタンクに入れて混ぜていきます。

「自分たちが手がけたものがお酒になるなんて…!」と思わず声に出してしまうほど、感動的で貴重な体験でした。

「総の舞」が織りなす絶品の味わいを試飲

体験の後は、お待ちかねの試飲タイムです!

「聖泉」「竹岡」シリーズなど代表的な銘柄を試飲させていただきました。

「竹岡」シリーズの「総の舞」は特に香りもよく、スタッフ全員が思わず「美味しい!」と声を上げてしまうほどでした。やや硬水寄りの水質が生み出す味わいは、柔らかさとキレが共存していて、口当たりはまろやかでありながら、後味にはしっかりとした切れの良さが感じられます。

米の旨味を引き出しつつ、料理の味を引き立てる絶妙なバランスは、まさにこの土地と水が育んだ賜物です。

江戸前料理との相性が抜群なようで、特に地元産のアジのなめろうやアサリとのペアリングがおすすめだと教えていただきました。

富士山と東京湾を望む絶景の地

蔵見学の締め括りに、池田さんは私たちを蔵のすぐそばにある海岸へと案内してくださいました。大きく広がる空と、東京湾の青い水面。遠くにそびえる富士山が織りなす絶景に、思わず息をのみました。

この特別な場所に立ち、目の前の景色を眺めながら、和蔵酒造の日本酒の真髄を理解した気がしました。この取材を通して、単なる「飲み物」ではなく、風土と人が紡ぎ出す文化としての日本酒の価値を、改めて実感する機会となりました。

【GW日本酒イベント情報】和蔵酒造フェア&蔵元BARナイト開催!

4月26日(土)~5月6日(火・祝)の期間中「和蔵酒造」 の魅力を堪能できるイベント『和蔵酒造フェア』を開催いたします。

4月29日(火・祝)には、和蔵酒造の蔵元・池田亨さんをお迎えし、特別イベント「第2回 蔵元BARナイト」を実施!

<和蔵酒造フェア 実施期間>

2025年4月26日(土)~5/6(火・祝) 

29日火・祝は和蔵酒造の蔵元、池田 亨さんをお招きして「第二回蔵元 BARナイト」を実施。

※蔵元の池田 亨さんは16時頃~来店

<参加方法>

予約なしでご参加いただけます。通りがかりのお客様も、どうぞお気軽にご参加ください。

<フェア期間 限定物販品>

日本酒瓶720ml(6種)

<フェア期間 限定提供メニュー>

フェア限定提供 日本酒 4種  1杯650円~(+定番酒 2種)

限定 おつまみ3種盛り 800円

和蔵酒造の本日のおすすめ日本酒3種「 飲み比べセット」1,000円

大人のための贅沢な時間を楽しみたい方、GW中に大人向けのグルメイベントをお探しの方、そして日本酒の世界をもっと深く知りたい方——

そんな方にぴったりのイベントです。

ぜひこの機会をお見逃しなく!

※ボトルのご購入は、飲食のご利用がなくても可能です。
※当日は立ち飲み席もご用意しております。カウンター席が満席の場合は、立ち飲み席へのご案内となります。
※ボトルや提供する日本酒、おつまみは売り切れる場合がございます。予めご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
※店内の混雑状況により、ご利用時間を制限させていただく場合がございます。予めご了承ください。

一献風月 横浜店(FOOD&TIMES ISETAN YOKOHAMA店)

神奈川県横浜市西区南幸1丁目5-1 新相鉄ビル
ジョイナス 地下1階 FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA CAFÉ & DELI PLAZA

営業時間:ランチ 10:00~17:00(L.O.16:30)/ ディナー 17:00~23:00(L.O.22:30)

アクセス:JR東海道・京浜東北・横須賀・横浜線/東急東横線/相模鉄道/市営地下鉄
横浜駅より徒歩1分
電話番号:045-900-3658